「最強」とも言われたディープインパクトの生涯成績は14レースに出場し12勝ととんでもない成績を残しています。GⅠの勝ち星も多く「無敗でクラシック3冠」や「JRA賞年度代表馬」2年連続で受賞するなど成績だけ見ても最強と言われる理由が分かると思います
もちろんディープインパクトの特徴の一つと言えば2着以下を大きく突き放す「圧倒的な勝利」ですが、2年の現役生活でたった2回しか負けていないというのも大きな印象、記録として残っていると思います。
この記事でディープインパクトの成績に特化してご紹介していきたいと思います。全14レース中印象に残っている7レースについて細かく説明しているので最後まで読んでみてください♪
ディープインパクトの成績
簡単にディープインパクトについてご説明します。今回はレースに特化していくので簡潔にしました。
生まれたのは2002年の3月25日でした。当時の評価はあまり高くなかったですが、デビュー前には調教で騎乗した武豊さんに「この馬はちょっとヤバイ」と言わせるほどの成長を見せます。史上2体目となる無敗でクラシック3冠にJRA賞年度代表馬(2005,2006年)などタイトルも多く獲得しています。
ディープインパクトのレースは基本的に後ろに位置取りをし、最後の直線に入る前までに中段辺りまで上がっていき直線に入ると一気に加速して前にいる馬を抜き去るというものです。その勝ちっぷりは見ていて気持ちがいいものがあり、虜になる人は少なくありませんでした。
引退後は種牡馬としても活躍をしていて2012年から6年連続でリーディングサイアーを獲得します。競走馬としてもその名を轟かせましたが、種牡馬としても名馬として有名になります。
成績は国内外合わせて14レースに出場し12レースで勝利。たった2回だけ黒星が付いています。また国内のレースでは全て1番人気でした。
- 新馬戦(2004/12/19):1着
- 若駒S OP(2005/01/22):1着
- 報知杯弥生賞 G2(2005/03/06):1着
- 皐月賞 G1(2005/04/17):1着
- 東京優駿 G1(2005/05/29):1着
- 神戸新聞杯 G2(2005/09/25):1着
- 菊花賞 G1(2005/10/23):1着
- 有馬記念 G1(2005/12/25):2着
- 阪神大賞典 G2(2006/03/19):1着
- 天皇賞春 G1(2006/04/30):1着
- 宝塚記念 G1(2006/06/25):1着
- 凱旋門賞 G1(200610/01):失格
- ジャパンカップ G1(2006/11/26):1着
- 有馬記念 G1(2006/12/24):1着
ディープインパクトの印象が強い7レースを解説
ディープインパクトは現役中に国内外合わせて14レースに出場しています。約2年の活躍でしたがその”インパクト”はとても強く、未だに競馬ファンたちの間で語り継がれています。そのレースについて簡潔にご紹介していきます。
印象が強いレースその1;2歳新馬戦
まず最初はデビュー戦となった2004年12月19日の2歳新馬戦についてご紹介します。9頭立てのレースで1番人気。単勝オッズ1.1倍のブッチギリでした。距離は2000mで阪神競馬場。天気は晴れで最強馬のデビューには相応しい日となりました。
4枠4番での出場となりましたが、このレースでは道中から中盤くらいに位置付けるレース展開となりました。最終コーナーに差しかかる時には専用集団の真後ろにいて、直線に入るとすでに3番手!残り200mを通過した辺りから一気に加速しあっという間に先頭立つとそのままのスピードでゴール。上がり33.1秒で2着と4馬身差を離す快勝でした。さらに2着と3着の差は3馬身離れており、「圧倒的」という言葉よく似合うレースだったと思います。また大差の2着となった「コンゴウリキシオー」はその後、G2を2勝、G3を1勝を含む7勝を挙げるほどの馬でした。
このレースで「ディープインパクト」という名前が競馬ファンたちの間に刻まれていきます。
印象が強いレースその2:若駒ステークス
2つ目のレースは2005年1月22日に開催された「若駒S」です。このレースでディープインパクトの名前が日本中に知れ渡ったと言われています。それほど印象に残るレースをしました。
新馬戦での勝利を見て人気が下がるわけもなく1番人気で単勝オッズは同じく1.1倍。芝2000mで京都競馬場での開催でした。7頭立てで少ない頭数でしたがまたもや4枠4番で登場します。
少し出遅れますが、この頃からスタートが苦手だと言われ始めます。新馬戦とは違い、後方からの競馬となります。先頭がかなりの逃げを見せ、縦長の展開。それでも落ち着いて直後に向けてジワジワと差を詰めて行きます。最終コーナーを曲がり終わった時にはまだ6番手で後ろから2番目でした。しかし、一瞬カメラが先頭を捉えている間に一気に差を詰めます。
「なんだこれは」
見ている人がそう思うほどの圧巻のスピードで先頭に立ちそのまままたもや2着以下を大きく付き放しゴール。衝撃の末脚を見せたディープインパクトはこの時すでに3冠を取ると確信する人もいるほどでした。
印象が強いレースその3:皐月賞
3つ目のレースはクラシックの1冠目2005年4月17日に開催された「皐月賞」です。芝2000mで中山競馬場で開催されました。もちろん1番人気でしたが、他にも「マイネルレコルト」や「アドマイヤジャパン」などの強力なライバルもいて単勝オッズは1.3倍でした。7枠14番と外枠でしたが後方からの競馬をするディープインパクトには好都合でしたね。
さらにスタート直後に大きく出遅れたディープインパクト、このレースも後方からのレースを余儀なくされます。しかし、若駒Sとは違い比較的早めに仕掛け始めます。頭数が多いので囲まれて前に行けないことを防ぐためだったのでしょうか?ディープインパクトが負ける時はなかなか前が開かずに馬群に飲まれる時だと思います。そうならないようにするためにも早めに前に出て行きます。
直線に入る頃には中団の外に位置につけました。残り200mでは早くも2番手まで上がっていきます。そのまま先頭を抜き去ると一気にゴール。最後差を詰められたようにも見えましたが、明らかに全力ではなくなっていたのでそれが原因だと思います。同世代のライバルたち相手にも大差での勝利となりました。
印象が強いレースその4:ダービー
4つ目のレースは2005年5月29日に開催された「東京優駿ダービー」です。皐月賞でこそ単勝オッズは1.3倍でしたが、ダービーではまたもや1.1倍と圧倒的な人気です。芝2400mで東京競馬場で開催されました。18頭立てのレースで3枠5番となりました。2番人気には京都新聞杯で1着となっていた「インティライミ」がいました。インティライミはその後もG2やG3で勝ち星を挙げる馬となります。
相変わらずの出遅れで後方スタート。しかしもうこれで驚く人は少なかったと思います「またか」程度にしか思っていなかったはずです。しっかりと内側に位置取り、直線の爆発に向けてa足を貯めておきます。そしていつものように最終コーナーに向けてジワジワと上がっていきます。最終コーナーを曲がり終わることにはいつもの様に中段くらいまで上がって、直線勝負。東京競馬場は直線が長いことでも有名なので刺すのには十分な距離が残っています。
内で逃げるインティライミと外から一気に襲い掛かるディープインパクト。200mの時点ではまだインティライミがギリギリ残していましたが、100mではディープインパクトが先頭に立ちそのままゴール。
皐月賞に続きクラシックを勝利しこれで2冠となります。さらにこのレースではインティライミの強さも話題になりました。ここまでディープインパクトに食らいついた馬は初めてだったので、ディープインパクトさえいなければという声も出ていました。
印象が強いレースその5:菊花賞
5つ目のレースは2005年10月23日に開催された「菊花賞」です。クラシック3冠がかかっている大舞台。さらにここまで負けなしのディープインパクトはこの菊花賞を勝つことができればシンボリルドルフ以来史上2体目の無敗でクラシック3冠の偉業となります。
運営側だけではなくファンたちの期待度も高くなんと単勝オッズは1.0倍と衝撃の人気でした。芝3000mの京都競馬場での開催。16頭立てで4枠7番になりました。
珍しく好スタートを決めるディープインパクト、少し興奮気味で道中を走っていきます。観客の前を通りすぎる時には騎乗している武豊さんが少し抑えるような手綱さばき。少し不安がよぎります。3冠がかかった大一番だけに気合が入りすぎていたのでしょうか?それでも途中からは落ち着きを取り戻します。差しというよりは少し先行気味でしたがいつも通り直線勝負に向けてギアを上げていきます。先頭はアドマイヤジャパン!残り200mの看板を通過してもまだディープインパクトは2着です。しかしその差をドンドン詰めて行きゴールの手前50mくらいで先頭に立ちゴール。今まででのレースで一番ヒヤッとする展開だったのではないでしょうか?結果だけ見れば2馬身離していますが。
ともかくこれで無敗でクラシック3冠を達成し、記憶だけではなく記録としてもとても強いインパクトを残すことになります。
印象が強いレースその6:天皇賞春
6つ目のレースは2006年4月30日に開催された「天皇賞春」です。相手には「リンカーン」や「マッキーマックス」「トウカイトリック」などがいました。芝3200mで京都競馬場での開催です。17頭立てで菊花賞の時と同じく4枠7番となりました。ここでも1番人気で単勝オッズは1.1倍でした。
レースはというといきなりの出遅れ。出遅れることはいつも通りですが、少しジャンプするように飛びだしてきてビックした人もいると思います。後ろから2番目を走っていきます。しかし最終コーナーに入る前から明らかに1頭だけ違うスピードでグングンと走っていきます。そして直線に入る頃にはすでに先頭!いつもの競馬とは少し違う動きに会場もどよめきます。しかしほぼ見せムチだけでスピードを落とさずそのまま1着でゴール。他の馬はなすすべがないといった感じでした。
やっぱり「ディープインパクトは凄い」とう思わせるようなレースだったと思います。
印象が強いレースその7:有馬記念(ラストラン)
最後のレースは2006年12月24日に開催された「有馬記念」です。実は2005年の有馬記念ではハーツクライに敗れ初めての黒星となりました。さらにこのレースで引退することも決定していたので「リベンジ」と「最後」がかかった重要なレースでした。芝2500mの中山競馬場開催。単勝オッズは1.2倍と最後までファンたちに支持されていました。
スタートは出遅れこそなかったもののゆったりとした感じで走っていきます。いつものように後方からの競馬です。見慣れた感じで最終コーナーを曲がっていき、直線に入ると異常なスピードで先頭に立ち。圧倒的な大差でゴール。最後までディープインパクトはディープインパクトでした。
ラストランは実況も注目を集めて三宅正治アナによる「ディープインパクト先頭!間違いなく飛んだ!!間違いなく飛んだ!!これが最後の衝撃!!これが最後のディープインパクト!!!」
という名言も生まれました。
まとめ
今回はディープインパクトの成績と印象が強かったレースを7つご紹介しました。シンボリルドルフが無敗でクラシック3冠を達成し、その後2頭目の偉業達成でした。その後クラシック3冠はオルフェーブルが達成しますが無敗ではなくまだ3頭目は現れていません!
ディープインパクトは現在では種牡馬として活躍していますが、いつかディープインパクト産駒が無敗で三冠の偉業を達成してくれると信じています。