ディープインパクト凱旋門賞失格!レースも3着で世界の壁を実感

平成最強とも言われたディープインパクトは引退する前にフランス・パリで開催された凱旋門賞へ挑戦しています。日本馬初の勝利をかけた大一番でしたが最終的な結果はまさかの「失格」という結末でした。

一体何故ディープインパクトは失格になったのか?その原因や当時の競馬ファンの期待や、凱旋門賞についてこの記事でまとめていきます。日本中が注目したレースの裏側では一体どんなことがあったのでしょうか?

ディープインパクトについて

競馬ファンなら知らない人はいない名馬の内の一頭です。現在では種牡馬として活躍しています。ディープインパクトの血は今の競馬に大きな影響を与えており、サンデーサイレンス時代から完全にディープインパクト時代へと移り変わっています。種付け料は決して安くないですが、関係者の人たちはこぞってディープインパクトの血を求めています。

現役時代は全部で14のレースに出場しました。さらに勝利を収めたのは12レースと飛んでもない記録になっています。またシンボリルドルフ以来史上2体目となる「無敗でクラシック3冠」を達成しています。ディープインパクトの後はオルフェーブルがクラシック3冠を達成していますが無敗ではないのでまだ2頭のみの達成となっています。これだけでも十分強さは分かると思いますが、さらに説明をするなら国内のレースでは単勝オッズが全て1.3倍以内と人気もかなり高く、2005年の菊花賞では単勝オッズ1.0倍という記録的な数値となっています。

また勝ち方も印象に残るものが多く、ギリギリで何とか勝ったというレースではなく2着以下を大きく突き放す圧倒的な勝ち方が特徴でもあります。走っているというよりも”飛んでいる”というイメージもあり走りの専門家たちが研究を重ねるほどでした。間違いなく日本の競馬界における名馬ですが、様々なドラマを産んでいます。

ディープインパクト史上初の黒星レース

先ほどもご紹介したとおりディープインパクトは2回だけ黒星が付いています。一つは失格となった凱旋門賞ですが、もう一つ敗北したレースがあります。それは2005年の有馬記念です。当時まだ3歳で無敗でクラシック3冠を達成した勢いそのまま有馬記念で古馬と初の対決をすることになります。

有馬記念は中山競馬場で開催されますが、すでに弥生賞、皐月賞で経験していました。また2500mですがダービーが2400m、菊花賞が3000mと距離への不安もありませんでした。

しかし当日のディープインパクトの様子はいつもとは違いました。落ち着きがあるとは言えない状態でレースに入る前からかなり興奮した状態にありました。

さらに競争相手はG1を3勝していたゼンノロブロイが2番人気に、さらに菊花賞、ステイヤーズSで勝利していたデルタブルースに宝塚記念、ジャパンCで2着となっていたルメール氏が騎乗するハーツクライなど一筋縄ではいかない力がある馬たちが集まっていました。

大きな出遅れはありませんでした、いつものよに落ち着いて後方からゆっくりとレースを展開していきます。そのまま良い位置で直線に入りますが自慢のスピードがなかなか出ません。また前方を走るハーツクライが全く止まらずに先頭を走り続けます。そのままディープインパクトは2着でゴール。レース中に1度もハーツクライの前を走ることなくレースが終了してしまうのです。

圧倒的な勝ちよりも強い印象に残っているレースだと思います。10馬身差で勝つこともかなり印象に残りますがそれと同じくらい”敗北”という2文字はファンたちの間に衝撃を与えます。

「あのディープインパクトが負けた」

しかし、これはディープインパクトの調子というのもありますがハーツクライの強さ、いや騎乗したルメール氏のレース運びの上手さもあったと思います。

凱旋門賞について

今度は凱旋門賞についてご説明していきたいと思います。凱旋門賞にはフランスのパリにある「ロンシャン競馬場」で開催されるヨーロッパ最大の競争の一つとなっており国際的に著名なスポーツの催しでもあります。

1920年に第一次世界大戦後に衰退したフランス競馬の再復興を掲げて誕生した国際レースです。ヨーロッパだけではなく世界中のホースマンたちがこのレースで勝つことを夢に見るくらい最高峰のレースとなります。目指すのは多額の賞金のためでも、キラッキラのトロフィーためでもありません。凱旋門賞で勝った馬を育てたという”誇り”です。

昔はそこまで日本での認知度はありませんでしたが近年では挑戦する馬も多く、日本人にも親しみがあるレースになってきています。凱旋門賞開催を盛り上げるため凱旋門賞の前日に1つのG1競走と4つのG2競走が、当日に凱旋門賞をメインに6つのG1競走が施行されており、その週末の2日間は凱旋門賞ウィークエンドと呼ばれています。

日本からの挑戦の歴史

現在までで凱旋門賞に挑戦した馬の数が21頭です。最高成績はエルコンドルパサー、オルフェーブルとナカヤマフェスタが残した2着で、まだ日本の馬は勝利したことがありません。

ディープインパクトが挑戦したのは2005年で日本の馬としては7番目の挑戦となります。ディープインパクトで7番目というは結構意外な感じもしますよね。それまで日本から挑戦するというのは稀なことでした。

エルコンドルパサーはフランスで長い期間調整をし、凱旋門賞のために多くのものを犠牲にしていました。それでも結果は2着で日本の馬には凱旋門賞はとても大きな壁となっています。2010年以降は毎年日本の馬が参戦しています。2頭出ることも珍しくなく挑戦することはかなり普通になってきてます。しかしここ3年では全ての馬が2桁着順となっており世界の壁の高さを痛感する結果となっています。

ディープインパクトの凱旋門賞挑戦

有馬記念でハーツクライに敗れたものの日本では最強の称号に近づいていたディープインパクト。凱旋門賞の挑戦もビックリすることではなかったと思います。JRAが主催するレースではないもののディープインパクトの人気をさらに上げるために日本では

「凱旋門に衝撃が走る」「世界のディープを見逃すな」

というキャッチコピーでCMを打つなど日本中が注目をしたレースとなっていました。日本の競馬関係者たち、競馬ファンはディープインパクトが勝利することを信じていたと思います。それくらい背負っている期待は大きかったですね。

レースの結果は9頭中3着でした。やはり世界中で活躍をする馬が集まるレースなだけあってレベルはかなり高かったですね。残り300mでいったんは先頭に立ちますがすぐに抜かれてしまいます。ゴール手前ではもう一頭にも抜かれて3着という結果でした。エルコンドルパサーが2着と好成績を残していますが、それまで挑戦した馬は10着以下がほとんどだったので3着という結果は悪くないのかもしれないね。

しかし日本のファンたちは3着では納得できなかったと思います。「ディープインパクトならきっと勝ってくれる。」「ディープが勝てないなら日本の馬は勝てない」そう思うくらいの馬でした。

ディープインパクトが禁止薬物の使用で失格に

レースでは3着に敗れ違う意味で衝撃を与えましたが、さらに日本のファンに衝撃を与える事実が発覚します。それはレース後の検査でディープインパクトの馬体から禁止薬物とされていたイプラトロピウムが検出されレースを「失格」となってしまいます。

この発表を受けてJRAの理事長を務めていた高橋正政行さんは「栄誉ある凱旋門賞に汚点を残す結果となり、誠に残念でなりません」という趣旨の内容を発言し注目を集めました。

日本のファンに向けて大々的にCMも打っていたのでこの結果は多くの人が知ることになります。3着で敗れた以上に悲しい結末となってしまいました。

なぜ禁止薬物が体内から検出したのか?

ではなぜ禁止薬物が検出されたのでしょうか?調教師の人たちもプロなので簡単にそんなミスはおかさないと思います。発覚した時に提出した弁明書には「ディープインパクトはレース前からせき込むようになり、21~25日にフランス人獣医師の処方によりイプラトロピウムによる吸入治療を行ったそうです。その間2度、吸入中にディープインパクトが暴れ、外れたマスクから薬剤が飛散し馬房内の寝ワラなどの干し草に付着。それをレース前日から当日の間に同馬が摂取し、レース後まで残留した可能性が高い」という内容が書かれていました。

実は凱旋門賞で禁止薬物による失格はディープインパクトが初めてでした。ディープインパクトを管理していた池江調教師には日本円で約220万円の罰金が課されました。さらに同行した開業獣医師にも罰が課されたそうです。

凱旋門賞失格の反動

凱旋門賞での失格は日本に戻ってからも影響は残っていました。凱旋門賞の後はジャパンカップで勝利し、ハーツクライに敗れた有馬記念に再び登場し引退となりました。しかし有馬記念でのファン投票は2005年の時よりも74%も投票数が下がるなど、ファンたちからの人気も少し下がる結果となりました。

また2006年度の最優秀4歳以上牡馬と年度代表馬に選出されますが、満票ではなかったことも凱旋門賞での失格が影響していると言われています。フェアプレーを守ることができなかった時点で賞の候補に考えていなかったという記者もいたほどです。

まとめ

今回はディープインパクトの凱旋門賞挑戦、そして禁止薬物による失格について記事で紹介しました。3着だったこともかなり悔しいですが、失格となったこともかなり辛い記録ですよね。ハーツクライに敗れた有馬記念とはまた比べものにならないくらいの記憶を残してしまったと思います。もし勝利していたらと考えるとまた辛いですが…。

未だに日本の馬は凱旋門賞で勝利することはできていません。種牡馬として活躍しているディープインパクトですが、ディープの子孫がいつか凱旋門賞で勝利してくれると信じています♪